太陽光発電設備についてFIT・FIP制度を利用するためには、再エネ特措法に基づく事業計画認定を受ける必要があります。
また、すでに認定を受けている太陽光発電設備でも、発電設備や事業計画の内容を変更する場合には、変更内容に応じて「変更認定申請」「事前変更届出」「事後変更届出」などの手続が必要になります。
資源エネルギー庁は、2026年4月1日付で「2026年度中の再エネ特措法に基づく認定の申請にかかる期限日について」を公表しています。
特に2026年度は、地上設置の事業用太陽光発電(10kW以上)にとって重要な年度です。
資源エネルギー庁によると、事業用太陽光(地上設置・10kW以上)は、2026年度の落札案件を除き、2027年度以降、FIT・FIP制度の新規認定対象から外れることとされています。
この記事では、2026年度の太陽光発電に関する新規認定・変更認定の申請期限と、申請にあたって注意したいポイントについて解説します。
2026年度のFIT・FIP認定申請期限
2026年度中の案件として認定を受けるための申請期限は、次のとおりです。
| 発電設備区分 | 2026年度の申請期限 |
|---|---|
| 太陽光発電(10kW未満) | 2027年1月5日(火) |
| 太陽光発電(10kW以上) | 2026年12月11日(金) |
| 風力・水力・地熱 | 2026年12月11日(金) |
| バイオマス | 2026年11月27日(金) |
太陽光発電については、10kW未満と10kW以上で申請期限が異なるため注意が必要です。
また、この期限は新規認定申請だけではなく、既存のFIT・FIP認定設備について行う変更認定申請にも適用されます。
なお、既存のFIT認定をFIP認定へ移行する「FIP移行認定申請」については、この申請期限によらず申請することができます。
「期限当日に入力すればいい」わけではない
申請期限について特に注意したいのが、「何をもって期限内の申請とされるのか」という点です。
電子申請の場合、単に申請内容を入力して一時保存しただけでは、期限内に申請したことにはなりません。
資源エネルギー庁が公表している2026年度の申請期限に関する資料では、電子申請について、期限日の23時59分までに所定の申請手続を完了する必要があります。
特に50kW未満の太陽光発電設備では、代行事業者が申請情報の入力を終えていても、それだけでは手続は完了しません。
設置者側で必要な承諾手続まで完了していることを確認する必要があります。
期限直前になって、
「入力は終わっているが設置者の承諾が終わっていない」
ということがないよう、余裕をもって手続を進めることが重要です。
50kW以上の太陽光は郵送書類にも注意
50kW未満の太陽光発電設備以外については、電子申請に加えて、申請確認や認定通知書の返送のため、電子申請画面から出力した申請書や返信用封筒などを、発電設備の設置場所を管轄する地方経済産業局の認定担当部署へ郵送する必要があります。
資源エネルギー庁の2026年度の案内では、50kW未満の太陽光発電以外の認定申請について、原則として申請期限日までに、電子申請画面から出力した申請書および返信用封筒を、発電設備の設置場所を管轄する地方経済産業局の認定担当部署へ郵送するよう求めています。
郵送する場合には、配送状況を確認できる方法の利用も検討し、十分な日数の余裕を持って発送することをおすすめします。
また、提出先を誤った場合には年度内の案件として扱われない可能性があるため、送付先についても事前に確認しておきましょう。
接続同意書類の準備も必要
認定基準を満たすためには、原則として申請時に電力会社との接続同意書類を提出する必要があります。
したがって、
「10kW以上の太陽光は12月11日が期限だから、11月頃から準備すればよい」
とは限りません。
特に高圧・特別高圧の案件では、接続検討や契約申込みから回答まで長期間を要することがあります。
太陽光発電所の新設を計画する場合には、FIT・FIP認定申請だけを見るのではなく、系統連系手続を含めた全体のスケジュールを早い段階から確認しておく必要があります。
住民説明会・事前周知措置にも注意
2024年4月に施行された改正再エネ特措法により、一定の再エネ発電事業について、FIT・FIP認定申請前に周辺地域の住民に対する説明会や事前周知措置を実施することが認定要件となりました。
大規模電源や周辺地域に影響を及ぼす可能性が高いエリアで再エネ発電事業を行う場合には、一定の要件を満たした説明会の開催が必要になります。
その他の一定の小規模電源についても、ポスティングなどによる事前周知措置が必要となります。
関連記事:
「【2026年最新版】太陽光発電の住民説明会はいつ必要?不要なケース・事前周知で足りるケースを行政書士が解説」
説明会は原則として「認定申請日の3か月前まで」
説明会を行う場合、その開催時期にも注意が必要です。
資源エネルギー庁のガイドラインでは、FIT・FIPの認定要件として、原則として認定申請日の3か月前までに説明会を開催する必要があるとされています。
さらに、説明会を開催する場合には、開催日の2週間前までに開催案内を行うなど、ガイドラインで定められた手続を行う必要があります。
そのため、申請期限だけを見て準備を始めると、説明会の実施が間に合わない可能性があります。
説明会の対象となる案件では、認定申請予定日から逆算してスケジュールを組むことが重要です。
変更認定でも説明会等が必要になる場合がある
住民説明会や事前周知措置は、新規認定だけの問題ではありません。
すでにFIT・FIP認定を取得している発電設備でも、認定計画の「重要な事項」を変更しようとする場合には、変更認定申請前に説明会または事前周知措置が必要になる場合があります。
この場合も、原則として変更認定申請の3か月前までに説明会または事前周知措置を実施する必要があります。
設備変更や事業者変更などを予定している場合には、変更認定申請だけでなく、説明会等の対象となる変更なのかも併せて確認しましょう。
関係法令の許認可も事前に確認
太陽光発電所は、FIT・FIP認定を取得すれば設置できるというものではありません。
設置場所や土地の状況、造成内容などによって、さまざまな法令や自治体条例が関係します。
例えば、
- 森林法
- 農地法
- 宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)
- 砂防法
- 地すべり等防止法
- 急傾斜地法
- 自治体の再エネ関連条例
などです。
特に再エネ特措法では、一定の関係法令について、FIT・FIP認定申請前に必要な許認可を取得していることが求められる場合があります。
そのため、
「まずFIT・FIP認定を申請して、土地関係の許認可は後から考える」
という進め方ができるとは限りません。
土地の取得や発電所の設計を進める前の段階から、どの法令・条例が適用される可能性があるのか確認しておくことが重要です。
パワコン(PCS)交換でも変更手続が必要になる場合がある
既存の太陽光発電所についても注意が必要です。
故障や老朽化などによりパワコン(PCS)を交換する場合、交換内容によってはFIT・FIP認定上の変更手続が必要になることがあります。
再エネ発電事業計画の変更手続には、
- 変更認定申請
- 事前変更届出
- 事後変更届出
があります。
どの手続が必要になるかは、変更する内容や認定時期などによって異なります。
例えば、
- PCSのメーカー・型式・台数等を変更する
- PCSの出力を変更する
- 太陽電池の合計出力を変更する
- 太陽電池モジュールを変更・増設する
といった場合には、現在の認定内容と変更後の設備内容を確認したうえで、必要な手続を判断することが重要です。
パワコン交換に伴うFIT・FIPの変更手続については、当事務所の関連記事でも詳しく解説しています。
関連記事:
「パワコン交換時で変更認定は必要?工事前に確認すべき申請・届出を具体例で解説」
2027年度以降、地上設置10kW以上は新規認定対象外に
2026年度の太陽光発電について、もう一つ重要な制度変更があります。
資源エネルギー庁は、事業用太陽光(地上設置・10kW以上)について、2026年度の落札案件を除き、2027年度以降はFIT・FIP制度の新規認定対象としない方針を示しています。
一方、屋根設置太陽光については2027年度以降も支援対象となります。
したがって、2026年度は地上設置の事業用太陽光について、今後の事業計画を検討するうえでも非常に重要な年度となります。
まとめ|申請期限から逆算するのではなく、必要手続から逆算を
2026年度中の太陽光発電に関する新規認定・変更認定の申請期限は、
10kW未満:2027年1月5日(火)
10kW以上:2026年12月11日(金)
です。
ただし、この日までに申請操作をすればよいという単純な話ではありません。
案件によっては、
- 電力会社との接続同意
- 住民説明会・事前周知措置
- 関係法令に基づく許認可
- FIT・FIP申請に必要な書類の準備
などを、認定申請より前に進める必要があります。
特に地上設置の事業用太陽光(10kW以上)は、2026年度の落札案件を除き、2027年度以降FIT・FIP制度の新規認定対象から外れます。
2026年度中の認定を予定している場合には、「申請期限はいつか」だけではなく、「その申請日までに何を終えておかなければならないのか」から逆算してスケジュールを組むことが重要です。
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「行政書士又は行政書士法人でない者が、業として他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類を作成することは行政書士法違反」になりますので、行政書士でない業者への申請代行依頼はご注意ください。
※本記事は2026年9月29日時点で公表されている法令、資源エネルギー庁の資料等をもとに作成しています。制度や運用は変更される場合がありますので、実際の申請にあたっては最新情報をご確認ください。
